九月二九日   今日は嬉しい来客があった。  原工房を初めて訪れた三十代後半のおっさんだ。
          数時間話し込んだのだが、これでもか!!というほど目が輝いている。  
          とにかく一緒に過ごす時間が楽しくてしょうがない。  工房の足元から頭の上まで
          存在する、あらゆるガラクタやオモチャを喜んでくれる。  嬉しそうに触ってくれる。
          
          僕はルアーをつくるという楽しい作業を仕事にしてしまった。  勿論何の後悔もない
          のだが、使ってくれる人を選べないという淋しさから逃れることはできない。

          今日の来客。  何をどう話そうが、釣りの楽しさを僕に伝え、響かせてくれた。    
          こういうおっさんはいい魚をゲットしたあと必ず、『ルアーがいいから』とか言うのだ。
          違う、違う!!  もう、全部あんたの手柄!!!   時も場所も道具選びも・・・・
          全部あんたの手柄!!!     まぐれや運も全て、実力がまねく産物だ。 。        

          主役が誰か、わかりすぎている。     僕はただの小道具係だ。
       
          こんな役者がいるから、ルアーつくりはやめられない。     
          
          申し訳ないほど、楽しすぎる。